仙台高等裁判所秋田支部 昭和33年(う)121号 判決
原審第二回公判廷において被告人が酒を飲み歩いた後二回目に室川料理店に赴いた頃までは記憶にあるが警察のジープで送られたことは勿論どのようにして本件の倉庫まで歩いて来たのかその後のことは記憶にない旨供述しておることは所論のとおりであるか右はこれを記録に現われた被告人の供述全体の趣旨に照らし検討するときは単に犯行を否認した趣旨の弁解と解しうるのであつて必ずしも心神耗弱の主張をなしたものと速断することはできない。従つて原審がこの点につき何等の説示をしなかつたからといつて原判決に所論の如き判断遺脱の違法があるとなすことはできない。論旨は理由がない。
(裁判長裁判官 松村美佐男 裁判官 小田倉勝衛 裁判官 三浦克己)